「あのね、」


の声が私に届く。その声にはきっといろいろな感情が込められているのだろう。どこか震えているような気がした。が私の体を掴む。先ほどの声の続きはまだ聞こえないが、私は気にしない。ただ一つの顔が見れないことが気掛かりなだけだ。。お前の顔を、私に見せておくれ。


「あのね、ダークライ」
どうしたというのだ、私のせいで厭な夢でも視たというのか。ならば、私はお前から離れるべきなのか。未だ私に顔を見せてはくれないに焦りを感じつつも、私は声色を決して変えずに何だ、と応えた。ふと気が付けば、の声すら震えていた。私は何かしてしまったのだろうか。。私を見ておくれ。


「わたし、」
含みを持った声でお前は何を云うのだ、私に離れろとでも云うのか、其れは無理だというのに。堪えきれずを抱き締める。ぐぇ、という声が聞こえたが気にしないことにした。体温が比較的高いはとても温かい。もう一度、何だ、と応えた。はいつになったら私に顔を見せてくれるのだろうか。やはり私はの気に障る様なことをしてしまったのだろうか。教えてくれ、。私は、お前が大事なのだ。だから、教えておくれ。


「ダークライがだいすきなの」
誰もが見惚れてしまう様な笑顔を見せる。どうして、どうしてお前は。もう少し力を込めてを抱き締める。苦しい、なんて聞こえたが無視だ。この少女を離したくない、この少女から離れたくない。

「なぁに」
「私もお前が大好きだよ」


もっと一緒に居させておくれ、